Jovian-Cinephile1002’s blog

古今東西の映画のレビューを、備忘録も兼ねて、徒然なるままに行っていきます

『 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 』 -最後に愛は勝つ-

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 50点
2023年3月4日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ミシェル・ヨー キー・ホイ・クァン ステファニー・スー
監督:ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート

繁忙期のため、簡易レビュー。

 

あらすじ

零細コインランドリーを経営するエヴリン(ミシェル・ヨー)は、優しいがあまり働かない夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)、頑固で認知にも問題のある父やガールフレンドとの付き合う娘のジョイ(ステファニー・スー)と共に暮らしていた。税金の控除を申請するために役所に入ったところ、突如、夫のウェイモンドが「自分は別の宇宙から来た」と言い、「多くの宇宙の脅威になっているジョブ・トゥパキを倒してほしい」とエヴリンに頼んできて・・・

 

ポジティブ・サイド

MCUのフィジカルに移動できてしまうマルチバースに比べると、こちらのマルチバースは意識だけが移動する。その移動した先の別の自分から、特技だけを拝借してくるという設定は、どことなく『 マトリックス 』っぽい。

 

アジア人のミシェル・ヨーがカンフーで戦うのも絵面としてはあり。『 グーニーズ 』や『 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 』をリアルタイムではないが、発売直後のVHSで観ていた世代としては、キー・ホイ・クァンの銀幕への復帰は嬉しい。まるで小学校時代の友人と再会したかのようだ。

 

全編、予想の斜め上を行くコメディ展開で突き進み、最後にホロリとさせてくる。なかなかに味わい深い作品。

 

ネガティブ・サイド

アホなことをするとヴァース・ジャンプするというアイデアは笑えない。『 2001年宇宙の旅 』やら『 スター・ウォーズ 』やらをパクりまくっているが、オマージュに見えない。これらの作品は他世界ではなく、この世界のはるか昔、あるいは未来(といっても今は2023年だが)だからだろう。マルチバースもので描くのはセンスがない。

 

意識が宇宙と宇宙の間をジャンプするのはいい。だが、その意識のジャンプを観測しているアルファ・ヴァースの連中の意識はどこにあるのだろうか?そもそも、ヴァース・ジャンプに必要なイヤホン?ヘッドホン?的なアイテムはどこから来た?意識だけ到来したアルファ・ヴァース人がこっちの世界で大急ぎで作った?そんな馬鹿な。

 

生命が発生できなかった世界にも意識が飛んでいくシーンはシュール。けど、意識が岩に宿るんかな?いや、その世界にあのイヤホン?があるの?わけが分からん。

 

総評

スイス・アーミー・マン 』は文句なしに面白かったが、今回のダニエル・クワンダニエル・シャイナートのコンビとは波長が合わなかった。昨年からアメリカでの評価が異様に高かったので期待していたが、裏切られた気分である。これがアカデミー賞ノミネートなら『 クレイジー・リッチ! 』もノミネートされていたはず。観賞の際は Don’t get your hopes up. 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

all at once

「一度に」あるいは「突然に」の意味。The students stopped talking all at once. = 生徒たちは一斉に話すのをやめた、のように使う。英検準2級、TOEIC500点レベルぐらいの表現。

 

次に劇症鑑賞したい映画

シャイロックの子供たち 』
『 湯道 』
『 少女は卒業しない 』

 

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