Jovian-Cinephile1002’s blog

古今東西の映画のレビューを、備忘録も兼ねて、徒然なるままに行っていきます

『 銀幕の友 』 -朋あり遠方より来る、亦た楽しからずや-

銀幕の友 50点
2025年2月22日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:チョウ・シュン ワン・イーボー
監督:チャン・ダーレイ

 

妻が「短編は配信されないので劇場で観たい」というのでチケット購入。

あらすじ

1990年、北京でのアジア競技大会が終わった頃、チョウ(チョウ・シュン)は中国のとある街の工場労働者向けの映画のチケットを配布していた。そこに旅から帰ってきたというリーが友人を訪ねてきて・・・

 

ポジティブ・サイド

北京に集結したアジア各国の代表たちと今度は広島で会おうと誓う歌が、中国各地に散った同胞および同朋との出会いとパラレルになっている。

 

何気ない街の日常を静かに見つめるという点では男女が逆だが『 パターソン 』に似ていると感じた。非日常から日常に回帰する時、同郷の友の訪問を受ける。何気ない営為がとても尊く、愛おしく感じられる瞬間でもある。

 

皆が一つの目的でそこに集い、一つの体験を同時に共有できるという意味で、映画館は同好の士との出会いの場と言える。実際に『 熱烈 』を通じて劇場で意気投合したマダムたちもいたのである。

 

ネガティブ・サイド

24分で1300円は高い。テアトルさん、一律1000円でも良かったのでは?

 

かなりのスローペースで、物語らしい物語はない。背景情報だけは間接的に渡すので、そこから物語を自身で構築してくださいというのは、芸術映画にしても無責任すぎ。

 

もう少しパンパン(パンダの大型模型)の搬送シーンでのチョウの視線などにクローズアップしていれば、無くなっていくものへの寂しさとそれを心に刻みつけることの大切さ、そしてそれを追体験させてくれる映画という媒体の尊さのようなものを観る側に感得させやすくなったのではないかと思う。

 

総評

ワン・イーボーのファン以外にはお勧めしない。逆に言えばワン・イーボーのファンなら観る価値はあると言える。30分に満たない短編だというのに座席は4割以上は埋まっていた。パッと見た限り男性客はJovianと最前列のもう一名だけ。その一名もおそらく妻に引っ張り出されたのだろう、と推測する。同病相憐れむ、か。彼とJovianは言葉も視線も交わさなかったが、友になったのかもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント中国語レッスン

再見

ザイヂェンと発音する。アクセントは後半のチェン。読んで字のごとく、再び会おうの意。英語なら Good bye もしくは See you again. となる。おそらくニーハオ、シエシエに次いで知られた中国語ではないだろうか。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 メイクアガール 』
マルホランド・ドライブ
幻魔大戦

 

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