Jovian-Cinephile1002’s blog

古今東西の映画のレビューを、備忘録も兼ねて、徒然なるままに行っていきます

『 栄光のバックホーム 』 -やや演出過剰か-

栄光のバックホーム 60点
2025年11月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:松谷鷹也 鈴木京香
監督:秋山純

 

明日も仕事なので簡易レビュー。

あらすじ

高校生として甲子園出場の夢が断たれた横田慎太郎(松谷鷹也)だが、阪神タイガースにドラフト2位で指名される。希望に胸を膨らませ、虎風荘に入寮した横田は、仲間や指導者と出会い、壁に当たりながらも成長していく。しかし、やがて病魔が横田に迫り・・・

ポジティブ・サイド

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 』で、

 

広島カープ津田恒美をテレビ映画化した『 最後のストライク 』のような作品が、製作されねばならない。

 

と書いたが、それが実現された。

 

主役の松谷は体格も立派で、顔も横田本人にかなり似ている。エンドロールでは「え、あの男が、え?」という事実も明かされるが、これはメイクアップアーティストの手柄か。バッティングの鋭さはかなりのもので、相当に野球のトレーニングを積んだことが見て取れた。

 

病気がどこまでも横田を削り取っていくが、そんな中でも野球に向き合い、そして野球をきっぱりと嫌いになったと吐露できたシーンは、雨がやや演出過剰に感じたが、良いシーンだった。

 

鈴木京香も、やや出張りすぎな感は否めなかったが、「お母さんが慎太郎の口になる」と宣言するシーンは真に迫っていた。脳腫瘍の患者さんは看たことはないが、看護学生時代のボランティアで脳梗塞脳出血回復者の方々の遠足(医師や看護師付き添い)に帯同したことが二度ほどある。当然、構語障がいのある方もいたが、娘さんが巧みに通訳していたのを思い出した。

 

レイトショーだったが、50~60人は入っていたかな。中には目を真っ赤にして劇場を去る若いカップルもいた。また「今年の優勝もよかったけど、やっぱり2023年は越えられへんな」という女二人連れも。その他、ポスターや展示物にも多くの人が群がっていた。タイガースのお膝元(二軍本拠地は今や尼崎市内である)なので、観客のほとんどは阪神ファンという点を差し引いて考えても、横田のドラマチックな人生が多くの人の胸を打ったことは間違いない。

 

ネガティブ・サイド

キャストが無駄に豪華すぎる。その割に演技がダメダメだった。川藤役の柄本明は、関西弁がそもそも話せていない。特徴的な間の取り方や発声は少し川藤っぽかったが、まとも準備して臨んだとは思えない。同じことは掛布を演じた古田新太にも言える。全然掛布っぽくなかった。金本は顔が全然本人に似ていなかったが、表情やちょっとした仕草が本人そっくりだった。おそらく監督が大御所に演技指導できなかったのだろう。

 

横田一家が鹿児島弁をしゃべらないのも不満。そこはもう少し頑張ってほしかった。

 

江本や古田はある意味で演出不可なのだろうが、北條を演じた役者はかなり”不甲斐なかった”。特徴的なフォームはそれなりに再現できていたが、まったくバットが振れていなかった。金属バットから木製バットに順応できなかった北條らしいのか?

 

鈴木京香が相当に演技過剰だったように感じたが、ぎりぎりで許容範囲内?。それよりも冒頭の心のつぶやき、「慎太郎はこの日のために何千回、何万回とバットを振ってきたんです」にドン引き。プロになるような選手をなめすぎ。おそらく小中高で横田(に限らずプロになる、あるいは甲子園に出場するような選手)は100万回はスイングしてきている。野球素人の母親の台詞だと解釈できないこともないが、だったら夫の野球への姿勢を「中途半端」だとはなじれないはず。うーむ・・・

 

総評

ドラマチックにしたいという作り手の思いが強すぎるが、横田自身の毎日小さな目標を立てて、それを達成していくという考えには強く共感する。スクール時代、そして大学で講師をしていた頃の自分の指導スタイルと全く同じだから。28歳で夭折した野球選手の青春、友情、家族、挫折、そして使命感の物語は、ぜひ阪神ファン、野球ファン以外にも味わっていただきたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

throw to the plate

バックホーム和製英語で、英語では throw to the plate =本塁への送球と表現する。特に外野手が投げる場合は outfield throw とも言う。MLBの実況では **外野手名** made the catch, here comes the throw … he’s out! **走者名** is thrown out at the plate!! のように聞こえてくるので、リスニングに自信がある向きは耳を澄まされたし。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ひとつの机、ふたつの制服 』
『 ある精肉店のはなし 』
『 ナイトフラワー 』

 

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