Jovian-Cinephile1002’s blog

古今東西の映画のレビューを、備忘録も兼ねて、徒然なるままに行っていきます

聖地巡礼 ~『 リバー、流れないでよ 』~

2023年10月22日
京都府京都市左京区鞍馬貴船町

 

リバー、流れないでよ 』の撮影場所である貴船に妻と一緒に行ってきた。珍しくJovianの旅情を刺激する映画だったのと、京都という割と身近な地域だったのも要因。

 

JRと京阪と叡山電鉄で1時間半で貴船口駅に到着。ここからバスで貴船に向かう選択肢もあったが、1日に1万歩以上歩くJovianは当然、徒歩を選択。看板によるとたった2.2kmほど。多少の坂はあっても、それもまた良い運動。実際に歩いて貴船に向かう、あるいは貴船から返ってくる同輩をちらほらと見かける。

 

途中の店で遅い朝食として茶そばを頂く。宇治の抹茶を使用しているとのこと。これで1,000円はチト高いが、観光地価格だからしゃーない。

 

てくてくと歩くこと25分ほどでお目当ての貴船へ。腹ごなしのためにも、まず神社にお参りしてみる。

 

映画でも縁結びの神社であることが触れられていたが、この日も結婚式が行われていた。末永くお幸せに。

 

その他に貴船道に沿って40~50分ほど散策。

巨岩や大木がけっこうたくさんある。樹齢千年と推定される神木もちらほら。和泉式部が訪れ、禊ぎをしたことで、夫婦仲が戻ったと言われているが、その頃に生えたか生えていなかったかという木々を目にすると、京都はまさに古都であると感じる。同時に、貴船の澄み切った湧水が時の流れの反復性を如実に想起させる。時間が流れ、時間が繰り返していると確かにこの地では感じられる。

 

一通りロマンを感じたら、目的地のふじやへ。

店先に元気よく立つご主人に映画を観て貴船にやって来たことを伝えると破顔一笑。そういうお客さんが時々来てくれるとのこと。映画のあれがこうで、これがああだと色々と立ち話をさせてもらう。一番面白かったというか、目から鱗だったのは、風呂場の客のシーン。2月の寒の日、朝4:00に集合、6:00から撮影開始だったそうだが、風呂場で湯気が立っては上手く撮影できないということで、あの風呂は実は「すごくぬる~いお湯だった」とのこと。うーむ、気付いてしかるべきだったのに。『 パブリック 図書館の奇跡 』なんかで「吐く息が白くねーぞ」と文句を言っていた俺なのに。何度も何度も何度も何度も裸に近いシーンで撮影を繰り返した、そのプロフェッショナリズムに満腔の敬意を表したい。

 

あまり長く立ち話しているのも商売の邪魔なので、ふじやにて昼食を。肌寒い日だったので、妻と二人そろって湯豆腐セットを注文。

座敷の窓の外に流れる川のせせらぎをBGMにして食事を頂く。実際にはこれにご飯と香の物がついてくる。これにて一人前3,500円。やっぱりちょっと高いと思うが、色々と面白い話を聞かせてもらえたので、その料金も含まれているのだと納得した。

 

帰りに隣の店でお土産として子持ち鮎の甘露煮の真空パックを購入。これは近いうちに湯漬けにして食べてみようと思う。

 

20代の頃にLAを旅行して、ハリウッド大作のロケ地を巡ったことがあるが、それ以来の聖地巡礼だったかもしれいない。聖地巡礼というのは主にアニメファンがやるものだと思っていたが、自分で体験してみるとなかなか面白い。今が川床を楽しめる最後の最後のタイミングだが、映画同様に冬の貴船を体験してみるのも乙かもしれない。関西圏にお住いの諸賢も、時間があれば貴船にどうぞ。時の流れの雄大さと、変わることのない京都の奥座敷のたたずまいという、一見すると相反する二つを体験してみてはどうだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

pilgrimage

聖地巡礼の意。ただし必ずしも宗教的な聖地を訪れようとする営為を指すだけではない。自分なりの目的地だったりゴールを目指す旅路や、そうした行為に従事しようとする人を指すこともできる。英検準1級以上を目指すなら知っておきたい語彙。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 オクス駅お化け 』
『 リゾート・バイト 』
『 ザ・クリエイター/創造者 』

 

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