Jovian-Cinephile1002’s blog

古今東西の映画のレビューを、備忘録も兼ねて、徒然なるままに行っていきます

『 ノック 終末の訪問者 』 -コロナ禍を下敷きに鑑賞のこと-

ノック 終末の訪問者 60点
2023年4月9日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリステン・ツイ デイブ・バウティスタ
監督:M・ナイト・シャマラン

 

簡易レビュー。

あらすじ

ゲイのカップルに育てられるウェン(クリステン・ツイ)の元に、謎の男レナード(デイブ・バウティスタ)が現れる。彼は仲間たちと共に、ウェンたち家族に世界を終末から救うために、一人を犠牲に差し出すように迫り・・・

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

個人的に非常に楽しめた。その代わりJovian妻の鑑賞後の第一声は「訳わからんねんけど・・・」だった。こういう映画は素直に鑑賞してはいけない。Jovianは看護学校中退の語学教育勤務、Jovian母は現役看護師、Jovian父は元ヒューム管運送トラックドライバーと焼肉屋。なのでJovianは終始、ウェンたち家族ではなく、レナードの側にどんどん共感していってしまった。

 

レナードは教師、その他の仲間もガス会社勤務=インフラ系、看護師=医療従事者、コック=外食産業と、ここまで言えばシャマランの言いたいことはJovian妻にも伝わった。海外諸国の事情は詳しくは分からないが、いわゆるエッセンシャル・ワーカーを冷遇してきた日本人は、A part of humanity has been judged. という台詞と共に死んでいく訪問者、およびそれと同時発生する災害と人死にを見て何を感じるのか、それとも何も感じないのか。Jovian妻は後者だった。ということは多くの日本人も・・・?

 

ウェンを演じたクリステン・ツイをはじめ、役者は皆、迫真のパフォーマンス。ほぼ善隆ペンがキャビンという限られた空間=低予算ながら、荒唐無稽な物語にそれなりの説得力を与えていたのは、役者たちの演技力(+コロナ禍)のおかげ。

ネガティブ・サイド

 

やたらとポリコレに配慮した映画に見えた。女の子がアジア系で、その父親二人はゲイ、訪問者も黒人女性とホワイト・トラッシュが混じっていて、いくらアメリカが人種のるつぼとはいえ、ここまで来ると不自然に映った。

 

レッドモンドなのかオバノンなのかもカットしてよかった。

 

世界滅亡のプロセスがよく分からない。『 アビス 』ほどではないが、6mの巨大津波が押し寄せたかと思えば、飛行機が次々に落ちていくというのは、ダイブスケールダウンしたように感じた。それこそありえないほどの落雷や乱気流が発生して、民間だろうと軍用だろうと空を飛ぶものはすべて落ちた、ぐらいの方がよかった。

 

総評

シャマランらしい外連味のある作品。『 シックス・センス 』や『 スプリット 』のようなドンデン返しを期待してはいけないが、『 オールド 』よりは面白い。チケット購入に際しては Don’t get your hopes up. 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

be pressed for time

時間がない、の意。『 アビス 』でも紹介した表現。どちらの作品でも We’re a little pressed for time. という具合に使われていた。Jovianは務めている部署の関係でこの時期は be extremely pressed for time である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 search #サーチ2 』
『 ヴィレッジ 』
『 ザ・ホエール 』

 

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