デウス/侵略 20点
2023年7月11日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:クラウディア・ブラック
監督:スティーブ・ストーン
近所のTSUTAYAで何となく手にした準新作。クソ映画だろうなという予感通りクソ映画だった。
あらすじ
地球人口が100億をはるかに超えた近未来、火星の軌道上に謎の球体を発見する。グレイ(クラウディア・ブラック)をはじめとした6名のクルーが調査のため火星軌道に派遣されるが、球体は地球上のあらゆる言語で「デウス=神」という意味の語を発信してきて・・・
ポジティブ・サイド
『 2001年宇宙の旅 』や『 エイリアン 』、近年の作品だと『 パッセンジャーズ 』を彷彿させる巨大宇宙船を大写しにするスタートに期待感が高まる。そしてそこが全てだった。
そうそう、宇宙船AIのミズはなかなかチャーミングだった。小説『 巨人たちの星 』のヴィザーのようだった。ChatGPTやGoogle Bardがこのレベルに来るのに、あと何年かかるだろうか。
ネガティブ・サイド
アイデアが陳腐すぎる。地球人口が爆発したので、それを間引いてやろうというプロットはは腐るほど観たり読んだりしてきた。謎の球体も『 スフィア 』のパクリに見えるし、序盤のアキレス号船内の展開も『 サンシャイン2057 』の後半にそっくり。最後の展開も『 ターミネーター3 』とそっくり同じ。そして最終盤は『 インターステラー 』でフィニッシュ。他にも色々な先行映画がいくつも思い浮かんだ。とにかくオリジナリティの欠如が甚だしい。
『 エイリアン2 』と同じく、クルーの誰もかれもが非常に口汚くしゃべる。ただ、エイリアンの世界では宇宙貨物船が当たり前の時代で、こちらは火星に6人を送り込むのがやっとの文明・技術レベル。そんな船に乗っている人間がこんな低レベルな喋りをするとは考えられない。個人的にはスラングは大好きだが、これもリアリティに欠ける演出だった。そもそも火星軌道と地球でリアルタイムに通信ができるなら、それは超光速通信を実現してしまっているわけで、だったら恒星間移住とは言わないまでも、とっくに火星に移住したり、あるいは地球環境を劇的に改善できていてしかるべきだろう。
SFを作るなら、もう少し scientifically correct を目指すべきだ。
総評
悪く言えばクソ映画。上品に言えば珍品。SFを作りたいはずが、ホラーやサスペンスの要素を中途半端に盛り込んでしまい、肝心のストーリーが盛り上がらず、キャラも深掘りされないという悪循環。まあ、しかし、数多くのクソ映画の上に傑作が成り立つのだから、今後も定期的にクソ映画を鑑賞して、ほんのわずかでも製作者に還元はしなければならないのだろう。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
go fuck yourself
これは時々ドラマや映画で聞こえてくるし、『 サウスパーク 』的な友人がいれば日常でも使っていい。意味は「うるせえ、ボケ、死ね」ぐらいだろうか。映画のいちばん最後のクレジットシーンでこの台詞の応酬がある。人工知能がこういう台詞を正しく使い始めれば、人間はAIと適切な距離を取れているのだろうと個人的には思う。
次に劇場鑑賞したい映画
『 探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 』
『 君たちはどう生きるか 』
『 交換ウソ日記 』
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